社会保険労務士試験(社労士試験)は独学での合格は十分可能です。
わたし的には、むしろ独学の方が合格しやすいと思っています。
まずはこの条文を確認してみてください。
第34その上でこの過去問を解いてみたらどうでしょうか?
この問題は平成23年度の選択問題です。
多分、初学者であっても簡単に解けたのではないでしょうか?
問題を解く上で注意するべき点は2点あります。
それは、「~時間を超える」という点と「労働時間の途中」という点です。
しかし、条文をしっかり押さえておけば間違えるような問題ではありませんよね。
社労士試験の試験問題は、この様に「しっかり押さえておけば確実に解ける」問題ばかりで構成されているのです。
ということは、行政書士など専門家の解説がなければ理解すらできない他の法律関係の資格に比べると、問題は非常にやさしいという事になります。
独学でも十分理解できる問題ばかり。
独学合格も十分可能であるという理由です。
では、なぜ社労士試験は独学合格の可能性について、これほどまで話題になるのでしょうか。
それは、合格率の低さにあります。
ここ数年の本試験合格率を同程度の難易度と言われる行政書士と比べてみましょう
| 年度 | 社労士 | 行政書士 |
|---|---|---|
| 27年度 | 2.6% | 13.1% |
| 28年度 | 4.4% | 9.95% |
| 29年度 | 6.8% | 15.7% |
| 30年度 | 6.3% | 12.7% |
話が違うじゃん!!って思ったと思います。
そうです、合格率の低さは行政書士より随分低いのが社労士試験なのです。
では何故理解しやすい試験内容なのに理解しにくい行政書士より難易度が高くなってしまうのでしょうか。
答えは簡単です。
それは社労士試験では膨大で細かい内容が問われるからです。
社労士試験はとにかく試験科目が膨大で広範囲です。
しかも、それらをすべてきちんと押さえておく必要があるのです。
どういうことかを先ほどの過去問で解説します。
この過去問での注意点の一つは「~時間を超えて」でしたね。
「~時間以上」ではないのです。
では、「労働者を6時間働かせた場合、休憩を45分与えなければならない」と本試験で問われたときに自信をもって答えられますか?
答えは「✖」です。
理由は設問では6時間を「超えて」いないからです。
この様な微妙な点を把握しておく必要があるのが社労士試験です。
法律によっては、例えば申請までが「10日以上」だったり「10日を超えて」だったり「1か月」だったり「30日」だったりするのです。
この様な微妙な差が同じ法の中、法を超えても多数問われるのです。
例えて言うならば広大な敷地の草一本一本の事をすべて覚えておかなければならないというものです。
社労士試験を難しくしている理由が別にもあります。
それは、捨て問が作れないという事です。
言い換えると、得意・不得意があると合格できないという事です。
社労士試験の合格要件は以下のようになっています。
① 選択式試験は、総得点28点以上かつ各科目3点以上である者(概ね)
② 択一式試験は、総得点49点以上かつ各科目4点以上である者(概ね)
カッコ書で「概ね」としているのは例年変動があるためです。
問題の配点は
① 選択式試験は、各問1点とし、1科目5点満点、合計40点満点とする。
② 択一式試験は、各問1点とし、1科目10点満点、合計70点満点とする。
いかがですか?
全科目に足きりが設定されていることが分かると思います。
つまり、得意科目で点数を稼いで総得点が上回っても、苦手科目で足切りに遭えば合格が出来ない仕組みとなっているのです。
この膨大で細かい点が問われる点と各科目に足きりがあるため捨て問が作れないの2点のために社労士試験の合格率が著しく低いというわけです。
ただし、再度言いますが独学は十分に可能です。
勉強内容は広範にわたる上に細かいですが、難しくないので専門家の助言が必要ないからです。
そこで、試験勉強における私の提案する心構えを参考にしてください。
では、具体的にはどうしたらよいのでしょうか。
私が合格に至るまでに実践した事を合格体験記も併せて「独学で合格する方法-その2」に続きとして解説いたします。
公開日:2019年10月29日