「独学で学習する方法-その1」では合格のための3つのキーワードを紹介しました。
まずは「あきらめない」とはどういうことかを説明します。
それは長期に渡ることを覚悟すると思ってほしいという事です。
この提案の本意は後半に説明していますが、まずは合格のための現実を説明します。
「あと一歩」が足りなかった方、初学者の方、どのくらいの学習期間を想定していた(している)でしょうか?
学習期間について、他の情報も併せて、多くの方が社労士試験を学習始めるときに様々な情報を集めたと思います。
その時に、「6か月で合格できる!」とか「私は9カ月で合格しました!」とか1年以下の学習期間で合格できる・できたと謳っている予備校やサイトの宣伝文句を耳に、目にしてきたと思います。
私もその一人でした。
その言葉を信じて、初めての試験に臨みました。
この経験から敢えて言わせていただきます。
学習期間を経年で考えないと合格は難しい!
この様なことを言っている学習サイト(参考サイトも含めて)は相当珍しいと思います。
しかし敢えて言わせていただきます。
理由は勿論あります。
まずは、合格率を考えてみてください。
平成30年度試験は6.3%です。
およそ50,000人受験申し込みをして、2,400の合格です。
このくらいの数字だとあまり実感がわかないと思うので、受験をした教室で考えてみてください。
私が合格した年の教室は200人くらい入る教室でした。
教室としては、結構広い方だと思います。
合格率6.3%という事はこの中で合格できたのは私一人かもう一人いるかどうかという事です。
その中に初めての受験で、しかも3か月とか6か月で合格できた人は何人いるのでしょうか!?
合格者の受験回数データを探したのですが、見当たらなかったので具体的な話は出来ませんが、合格までの平均受験回数は4~5回という事です。
こうやって、数字を分析してみると1回の受験で合格できる可能性は著しく低いことが分かります。
予備校等が言っていることはウソというつもりはありません。
しかし、そういう人もいると考えた方が無難ではないかという事です。
きっと、そういう人ってすごい天才か、ヤマを張ったところが的中した凄く運のいい人だと思いませんか?
少なくとも私は自分がそんな人だとは思えませんでした。
社労士試験合格に要する学習時間はどの位なのかも気になる点ですよね。
もちろん個人差はあると思いますが、およそ1000時間と言われています。
はい、1000時間を確保するのに1日どの位勉強すればいいかは、簡単に計算できますね。
1000÷365≒2.7時間ですね。
一日およそ3時間って事ですよね・・・・・。
って、一日3時間って!!今の生活で毎日3時間を確実に1年間継続して確保できますか?
これも生活リズムによっては出来る方もいらっしゃると思いますので、出来る方は単年合格を目指していただいて大丈夫だと思います。
ですが、一般的に考えてこの時間確保は学生でなければ相当難しいと思います。
実際のデータを分析してみるとよほどの天才かよほど運のいい人もしくは勉強時間がしっかり確保できる人、という事になりますよね。
今これを読んでいる方にこれに当てはまる方がいらっしゃったら、この先は読まなくてもいいかもしれません。
ですが、私はこれに当てはまらなかったので、1年目は散々な結果でした。(合格した年も救済された訳ですが・・・)
試験中に散々な結果は見えていたので、試験を受けながらその理由を考えていたことを今でも覚えています。
明らかに早期合格を目指したために知識定着が出来ていなかった、短期を目指していたため足元がバタついていて無駄な時間を過ごしすぎた事が原因ではないかと。
天才でも時間に余裕がない自分が合格するためには・・・・長期間を覚悟してあきらめない気持ちで足元を固めていくしかないのでは、と思ったわけです。
同時に、別の事も考えていました。
それははじめにで説明した行政書士試験の時に感じた気持ちと同じでした。
この知識で果たして仕事が出来るかという事です。
再度、考えてほしいことは何のために試験に臨んでいるかという事です。
社会保険労務士として仕事をすることではないですか?
仕事として社労士業務を行うときに迷わないためにはどうしたらいいでしょうか?
答えは簡単ですね。
社会保険労務に関する事のあらゆる知識を網羅しておくしかないはずです。
もし、開業するのならどうでしょうか?
社労士として仕事をするための知識が3か月とか6か月で得られるでしょうか?
私が社労士試験に経年で取り組むことを推奨する本当の理由は、この仕事をするときに困らないように、信頼される社労士になるためという点にあります。
つまり、経年を前提に長期間を覚悟してあきらめない気持ちでしっかりと知識を身に付けて「稼げる」社労士になってほしいというわけです。